寝返りには4段階と、3つのパターンがある

自由に動いているように見える寝返りですが、身体運動学的に見ると、寝返り動作には一連の流れがあり、上向きから横向きへ4つの段階に分けられます。

第1段階は、すべての動作に先駆けて頭を動かします。頭の動きによってその後の寝返りにおける体の使い方が変わります。

頭を前に倒す、すなわち首を曲げる姿勢をした場合は、体の前面の筋肉を使って寝返り動作を開始します。

頭を後ろに倒す、すなわち首を伸ばす姿勢をした場合は、体の後面の筋肉が活性化され、寝返りを開始します。

第2段階には、初動の部位によって分類される3つのパターンがあります。上肢パターンと下肢パターン、上下肢同期パターンです。

上肢パターンは、まず肩甲骨を前方に出します。肩甲骨は胸郭(肋骨に囲まれた胸)の上に乗っていますから、肩甲骨が動けば胸郭も回旋(回ること)できるのです。

下肢パターンは、まず膝を立て股関節を曲げます。その後、下肢を寝返り方向に倒して生じる力を利用して、重くて大きい骨盤を回転させます。

または、膝を立てて足裏で床面を蹴って回転することもあります。上下肢同期パターンは、上肢と下肢がほぼ同時に動き始めるパターンです。

第3段階は体軸の回旋で、主役は脊椎です。上肢パターンでは、胸椎を体軸として、周囲を囲む胸郭が床面に接触する部分の形を変形させながら、上手く回旋します。下肢パターンでは、腰椎を体軸として、周囲を囲む骨盤が床面に接触する部分を変形させながら回旋します。

上下肢同期パターンでは、胸腰椎を体軸として、まるで丸太のように寝返りします。この時重心の移動が行われています。

第4段階は、いよいよ寝返りの最終段階です。横向きの姿勢は、上向きの姿勢に比べて、ベッドやふとんに接する支持基底面が小さく不安定な姿勢です。

これを安定させるためには支持基底面を広くすればよく、膝と股関節を曲げて左右の足を少しずらして骨盤の安定性を確保し、静止に至るのです。

最も自由度が高く不安定なのは頭と肩です。そのために適切な高さの枕を使用し、頭彑肩を安定化させる必要があります。