自分の寝返りを観察する

私は、毎晩様々な睡眠環境を設定して眠り、終夜ビデオを撮影します。目的は寝返りの観察です。その結果は興味深い情報にあふれています。

最も興味深いのは、眠っているとは思えないほど巧みな動きをすることです。その行動を姿勢制御と呼びますが、筋骨格系と神経系の複雑な相互作用によって統合し引き起こされていると考えられます。

また一方で、寝返りは睡眠環境からの多くの制約を受けて阻害されますが、これと闘って寝返りするのには驚くべき行動力です。感動すべき自分の寝返りに遭遇した日のことは、今でも忘れられません。

夏場、敷き物をはいだコイルベッドに大の字(上向き)に寝ていました。最初に頭がぴくっと動き、手で顔をこすり、右腕を大きく前方に振り出すとともに右足を持ち上げ、右半身が空中に浮き、まるで体幹を焼き鳥の串のように中心軸にしてコロッと左に寝返りを打ったのです。

その一連の動きは計算された効率のよい動きに他なりません。ビデオを何度も何度も見直し、すごいすごいと一人でビデオの中の自分を褒めました。

冬の寒い日には、暖かい掛けぶとんを掛けて寝るのでなかなか寝返りの観察ができず、また掛けぶとんによっては寝返りを妨げるものも少なくありません。

そんな時は、夏と同じように頭がぴくっと動き、手で顔をこすった後は、右腕で邪魔な掛け物をよいしょと持ち上げ、自分がこれから打つ寝返りの方向に空間を確保してから、さらに右足で足元の掛けぶとんを蹴ってどかし、やっと寝返りを打つのです。まるで覚醒した脳で周囲の観察を
しながら運動をしているような巧みさです。